(14)・・・病院通い・・・

忙しい、忙しい、何が忙しいかと言えば、病院通い。老いるという事は、もっと安楽なものかと勘違いしていた。「病院通いできる人は、元気な人じゃ」と、よく言われるが、確かに、こいつは体力が要る。予定をこなすのに、精一杯で、通院先にベッドがあると、そこで寝てしまう。自分では、医師会などから回って来る定期健康検査のようなものは、やらない主義である。

脳ドックもがん検診も、やったことが無い。人間の寿命など、あらがったところでどうにもならない。ただ、痛いのはつらい。熱もつらい。歩けないのはつらい…。

  • 皮膚科…強烈な頭痛が続いて、5日目に帯状疱疹になった。おまけに、それが三叉神経第一枝だから、顔半分が腫れて、痛いのなんの。「バルトレックスを7日飲めばいい」と、気さくなDrである。
  • ペインクリニック…痛みを取りたくて、受診し、星状神経節ブロックをやっている。頸椎のそばに、交感神経節の集まりが星型になっていて、そこに麻酔薬を注入する。交感神経<副交感神経の状態になるから、緊張がほぐれ、血流が増えて、患部の発痛物質(プロスタグランディン、アセチルコリン、ブラジキニンなど)を洗い流すのだ。
  • 歯科…入れ歯を治したり、虫歯を治療したり、一向に縁が切れない。ここ名医☆
  • 眼科…中心性漿液性網脈絡膜炎、要するに、ステロイドの副作用で、片目が見えにくく、失明予防で通っている。
  • 総合病院…自分の薬は、自分で処方できないので、幼馴染の先輩に主治医になってもらい、処方、検査、介護保険の書類などをお願いしている。
  • 訪問リハビリ…週2回、弱った足を矯正してもらう。足関節、膝関節、指関節など、全ての可動域が少なくなって、ピノキオ歩き+小刻み歩行の為、簡単に転倒しやすい。ひどい時は、ちょっとの風でも頭から転倒した。

これに加えて、鍼灸にも行きかけたが、全く暇が無い。いずれ、鍼灸に戻らねばと思っている。
通院患者になってみれば、クリニックや医者の在り方が、大いに参考になる。しいのきは、忙しすぎて余裕が無い。

多くのクリニックは、スタッフがこまめに消毒作業をやっている。医者の説明が、懇切丁寧である。インフォームドコンセントをきっちり守っている。同年代の医者が多いのだが、皆元気そうで、既に半袖姿。暖房をつけ、足をマットで温めているのは、僕だけかよ?
質問すると、いやそうにはしない。きっぱりと「そりゃダメです!」と言われると、病んでいる者としては、ちょっとこたえる。僕が、怖がられるのは、この感じかな…。

「薬は、ちょっと考えて出しておきます」というやり方は、ダメだね。どう変えるのか?なぜ変えるのか?ちゃんと説明をしなくては…。「任せておきなさい」というやり方は、昭和の診療である。あ~あ。