(64)・・・精神分裂症、在りや無しや?・・・

これを習ったとき、単純型、破瓜型、妄想型、緊張型と分類し、慢性化した人を、陳旧型と呼んでいた。これに加えて、境界例とパラノイアまで存在した。

  1. 単純型は、幻聴妄想が無く、無為自閉が顕著なもの。
  2. 破瓜型は、思春期に発症し、自閉や意欲の低下が顕著で、よく聞くと幻聴又は妄想がうっすら内在する。
  3. 妄想型は、幻聴妄想が活発で、一目で分裂病と診断されて来た。
  4. 緊張型は、興奮が激しく、昏迷に陥ったり、カタレプシー(蝋屈症)が出たりする。
  5. 境界例は、物静かだが、疎通性が良く、仲間の入院患者の世話をしたり、病棟の掃除を任されたりしていた。
  6. パラノイア(妄想性障害)は、嫉妬妄想、血統妄想、好訴妄想、万能妄想などがあって、薬が全く効かない頑固な妄想で、その一点以外は、どこも問題が無く、普通である。
  7. 陳旧型は、統合失調症が進行すると、人格荒廃に至ると言うものである。実際は、電気や薬で、或いは、ホスピタリズムにより、認知機能低下を来たしたものに過ぎない。

①と②や④⑤⑥は、皆、発達障害の二次障害だろう。今は、そう確信している。
自分でも、過去に統合失調症と診断した人を、生育歴から見直して見たら、ほとんどが誤診だった。

⑤や⑥などは、ICDやDSMの悪影響で、パーソナリティ障害(人格障害)にされていることも多い。⑦のホスピタリズムというのは、慢性の拘禁反応のことである。

では、③はどうだろう。まず論外なのは、強迫観念とか解離性障害である。「〇〇のおそれを、過剰に心配する」というのは、被害妄想じゃなく、強迫観念である。
また、解離の場合、幻聴(言語性)や妄想気分があるので、鑑別を誤ってはならない。しかし、誤りまくっているのが、精神医療である。

上の二つにおいては、そう間違えたことがないが、発達障害の二次障害との交錯(誤診)は、随分多かったと反省している。一方、未だに、統合失調症としか言いようがない人も、わずかだが、何人か知っている。だから、統合失調症は無い…とまで主張する確信は、未だ持っていない。

もっと悲しいのは、一過性精神病性障害である。昔は、分裂病様反応とか心因反応と呼ばれた。
分裂病様…つまり、のようなである。安易に分裂病としない姿勢があったのだが、今は違う。一過性精神病性障害は、なし崩し的に、統合失調症の扱いになるから、生涯服薬→薬剤性精神病状態に陥ってしまう人のなんと多いことか。

ヤンセン(リスパダール1996年)やイーライリリー(ジプレキサ2001年)の資金をバックに、家族会やアホ医者たちが、何が何でも、病名変更(→統合失調症2002年)をゴリ押しした。「精神分裂症」がいいとは思わないが、時間をかけた議論が必要だったし、製薬会社のパイを増やしただけで、薬害は激増したのだから、オメデタイ高木俊介など、土下座して腹を切るべきである。ACTをやって、家にまで出かけ、大量処方を押し売りしているやつだから、反省など出来ないだろう。

こいつらが、なんでも統合失調症にしてしまう。遅発性統合失調症、若年性統合失調症、老年期統合失調症…もう、わやじゃがな。

医者が製薬会社とつるんだら、ロクなことがない。
内科学会でも、コレステロールや血圧の正常値を下げた為、コレステロール低下薬や降圧剤のパイは、激増した。製薬会社はウハウハだろうし、医療機関や薬局も儲ける仕組みだが、鬱や認知機能低下の薬害は一挙に増えた。(脳は、コレステロールで出来ている)。

自分の話で恐縮だが、昨年胆嚢摘出手術をした時、腹部大動脈解離が見つかった。それで、血圧を120以下にし、コレステロールを下げておくように言われた。入院中に下げられたが、めまいがして頭が覚めにくい。しんどい思いをしながら、大動脈破裂をおじる(こわがる)より、元気で居った方が良い。なんぼ、この世にしがみついても、もうすぐ三途の川は待っている。

人間は、死ぬまでは生きとるけん、心配いらんぞな。ほてから、血圧は高いままじゃけん、毒舌吐き放題ぞな。

(出典:イラストAC