(57)・・・やぶ医者問答・・・

「もう、死にたいんですけど…」
「ほおかな、困ったことじゃなぁ。どうすりゃええんかのう?」
「生きとっても、ええことなかろ?」
「うん、ええことないなぁ。今の世の中、腐っとる。金持ちはどんどん金持ちになり、貧乏人は、ますます貧乏にならいなぁ」
「仕事行っても、続かんし、ゲームするんも飽きたし、なんの為に生きとんか分からんのよ」
「生きとることに、意味は無いんぞな。誰かが勝手に産んだけん、不本意ながら生きとんぞな」
「ほなら、なんで74歳まで生きて来たん?」
「死ぬほどの勇気も無いし、死ぬほどの馬力も無いけん、まぁ惰性よなぁ」
「友達もめんどくさいし、男もロクなん居らんかったがな」
「ほうじゃなぁ、ロクでもない男が増えたぞな。皆、へその緒が付いたままじゃ」
「そんなことばっか言うとらんと、死にたい言うとるんじゃけん、ちゃあんと止めてや」
「やれやれ、すまんすまん。若いのに、死んだらいかん。命がもったいないぞな」
「そう言うて止められたら、よけいに死んじゃろと思うんよ」
「よいよい、どう言うたらええんじゃろ。線香花火みたいな命じゃけん、もうすぐ死ねるがな。ほうじゃほうじゃ、もうすぐよ」
「そりゃ先生はええわい、もうすぐじゃけんなぁ。私ら、まだ、50年もかかるがな」
「ええことよう言わんけど、今が最低なら、あとは上がり目じゃがな。なんか、ええことあるかも知れんぜ」
「あてにもならんこと、よう言うわい。もうちょっと、見込みあること言うてやな」
「すまん、すまん。何言うても、どうせ聞く気無いんじゃろ?残念じゃのう、残念からげるぞよ」
「やぶ医者の話を聞きよったら、しんどなった…もう帰って寝るわ」

(出典:イラストAC

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