(59)・・・あゝ外来の日は暮れて・・・

朝は、遅くても6時には出勤して、あれこれ準備をしている。決めたことを変えられないアスペ風「同一性保持行動」である。以前は数十年にわたって、何もないのに、日曜も同じように同じ時刻に出勤していた。変化が苦手なので、同じように毎日をスタートさせたい。

しいのきの最初には、7時や7時半から、診療をしていたが、よく考えたら、受付スタッフには、労働基準法違反になるので、今は、8時15分開始になった。全員が予約制なのだが、結局朝から来る人は限られている。つまり、早起きの高齢者とか、ゆっくり話せるので朝を選ぶという賢明な人たちだけ。

多くの時間は、もう心療内科とは言えない混み方になり、皆さんには迷惑をかけている。そうならないように、予約制にして管理しているはずだが、前日に、「明日行くので、どこかに入れて下さい」というようなメールが飛び込んで来たり、もちろん、「具合が悪いので、明日頼みます」と言われれば、お断りは出来ない。そうやって、事前に予約している人の時間までも、削られて行くから、異常な混み方の日が増えて行く。

新患は、なるべく早く診る、誰でも受ける、急な飛び込みも診る…というのが、しいのきのスタイルなので、昼食を食べる暇は無い。自分は老いぼれて、もうスタミナが無いから、2時が来たらハイ終わり。院長は、そこから6時まで突っ走るのだから、驚異的である。

GWやお盆や正月明けは、人が固まって来るから、ひどいことになる。数か月すれば、平均化するのだが、また次の連休が来て元戻り。そうやって、無茶苦茶に混む日々があったり、1時間に3~4人という日が、たまにやって来るのだ。そんな時に会えた人とは、「ガースーは、どこまでもバカじゃのう」「安倍は仮病で逃げたんぞな」などと、おしゃべりをする余裕が出来る。

土曜は、完全に子ども外来になる。ところが、学校が辛くて通院しているのに、補習がある…習い事がある…塾がある…と言って、当人が来ずに親が来ることも多い。訳が分からん。どもこもならんのう。

親切な人が、「もうお歳じゃけん、数を減らして行かにゃ」と言ってくれるが、その人が電話して来て、「近所の子が困っとるけん、早よ診てや」と言う。別の親切な人は、「いちいち話を聞きよったら、くたびれてしまわい。早めに切り上げたらええんじゃがね」などと、長話をして、いっこうに帰ってくれない。その他、「もう、半日診療にしたら?」とか、「新しい人は全部断りいや、もう」などと、アドバイスを呉れる。

皆さんが心配してくれるようになり、ある意味では、情けなく申し訳ない高齢医になった。もっと、断れるようにならんといかん。無理をしたら、皆さんに結局迷惑をかける。そんなことを思いながら、頼まれたら断れず、何事も改善できないまま、まともな診療が出来ていない。

自分流の山勘診療は、信用が全てであって、早すぎる、時間が足りない、物足りない…と思われたら、なんでもいいのでメール下さい。もちろん、紹介状なら、いつでも書きます。申し訳ありません。

(出典:イラストAC

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