(73)・・・もんじゅ怪死事件・・・

 もんじゅは、福井県敦賀市に作られた高速増殖炉(実験炉)であり、「国家プロジェクト」として、数兆円がつぎ込まれた。しかし、反原発派の予想通り、事故が多発して、21年間でたった250日しか稼動出来なかった。税金を湯水のようにつぎ込んだのは、原発からは取り出せないプルトニウムが、原爆!に転用できるからだったが、政府は嘘をつき通した。

 もんじゅは、数々の事故を繰り返し、冷却用ナトリウム漏洩火災事故を起こしたが、いつものように隠蔽しようとし、結局はバレてしまった。その後始末の調査を任されたのが、日本原子力研究開発機構の総務部次長だった故・西村成生しげおさん(当時49歳)。西村さんが、多くの資料(西村ファイル)を残したまま「自殺した」のだが、遺書といい、証拠といい、警察がでっち上げたものばかりで、妻のトシ子さんは、今も斗い続けている。

 西村さんも、きちんとした人で、おそらく資料改竄を押し付けられ、良心の呵責に耐えられず、問題提起をしようとして、殺されたのだろう。
森友事件の赤木ファイルと、そっくりである(→このブログ(65)参照)。

ついでに書いておくが、伊藤詩織さんレイプ事件では、元TBS記者の山口敏之を無罪放免にしようと警察ぐるみで揉み消し工作をやったのは、安倍晋三である。なんと、山口は、たいこもち記者として、安倍を取材し、「総理」という本まで出している。(注:たいこもち→おべんちゃら、ごますり)

 原発問題では、変死事件がいくつもあるが、一つは、反原発運動の父と言われた水戸巌教授が、双子の子どもと一緒に、山で遭難死した事件。もう一つは、『報道ステーション』のディレクター、岩路真樹さん(当時49歳)の不審死事件。岩路さんは、福島の甲状腺がんについての取材や、東電OL殺人事件、布川事件など、冤罪事件を追っていた。

 「原子力ムラ」は、核開発や原発の延命のためには、人一人殺すくらいは、簡単にやってしまう。もんじゅの西村さん事件では、これを告発し続けている竹野内真理さん(フリージャーナリスト)が、命の危険を顧みず斗っているが、さすがに居場所を変えて、国内外を転々としている。

自由と民主主義の国?美しい国ニッポン?吐き気がするぞな。

(出典:イラストAC