(219)・・・絶体絶命、老害陳謝・・・

 いよいよじゃ。体が限界じゃ。

座っているのも苦しくなり、体の痛みやだるさで、笑うことも出来んようになった。しいのきの駐車場から、ちょっと歩くだけが、もう難しいので、慎重にゆっくり歩いている。

 治療不能のポンコツは、もう修理が出来んのよ。それで、2~3カ月の休診も考えたが、そうすると、もう起き上がれんかもしれん。

 62歳の時には、5年間起き上がれんかった。寝たら、寝たきりになりそうじゃ。

それで、とにかく昼までの診療にして、早めに帰るようにした。つまり、今後はもう、新患の予約を取らない。

 特に、子どもだけは、死ぬまで診たかったが、もうどうにもならんのよ。残念無念じゃ。相変わらず、子どもの処方がひどすぎる。不登校じゃのに、抗うつ剤が出る。発達障害だと、コンサータ、インチュニブ、ストラテラじゃの、もう無茶苦茶じゃ。だから、僕一人でも防波堤になりたかった。刀折れ矢尽き果てた気分じゃ。

なにしろ、睡眠時間が3時間ではどうにもならん。もともと眠れん人間じゃが、今はもう痛みがひどく、睡眠どころじゃない。

 既に、診療では随分迷惑をおかけしている。半日で診なければいけないから、全員「3分診療」である。これじゃ、辞めた方がいいとも考えるが、いきなり辞めたらもっと迷惑をかけそうで、どうにも踏ん切れない。第一、僕の患者さんが院長の外来に押しかけたら、院長が潰れてしまう。

 あゝ、進退ここに極まれり。愛想尽かして、転院して頂くなら、是非どうぞと言いたいが、そう言うたら冷たいかのう。どこへ移っても、精神薬漬けにはなられんぜ。余計な処方を貰っても、上手に捨てることぞな。

 賢い人は、8時に来る。朝早くなら、少し時間がとれるけんな。

もう謝りたくても、言葉が無いんよ。この文章も、あち飛び、こち飛びして、脈絡が無い。推敲すいこうなどする余裕無し。

 大体、具合が悪そうには見せん主義じゃけん、ここまでボロボロとは誰も思わんかったはずよ。もともとの膠原病+腹部大動脈解離+高血圧+前立腺癌(疑)+大腸癌(疑)+ステロイドの副作用(糖尿病、筋力低下、緑内障)じゃけん、病気のデパートである。命自体がいつまで持つのか、誰にも分からん。せやけど、死ぬまでは確実に生きとるけんな。外来の皆さん、ほんとにすまんのう。残念じゃ、残念からげるぞよ。

(出典:イラストAC