(170)・・・花と唄・・・
また年寄り臭いことを書いて、顰蹙を買うことにしよう。近頃の歌には、風景が無く、抒情が無い。今日は、花の名前が題名に入った唄だけでも、思い出しつつ調べてみよう。思いつくままなので、順番は無茶苦茶である。
(なお下線は、ヒット曲。☆は僕の好きな唄)
- りんどう…あゝりんどうの花咲けど☆(舟木一夫)、りんどう峠(島倉千代子)
- リラ…リラの花散る町☆(倍賞千恵子)
- 百合…白百合悲し君に似て☆(久保浩)
- あざみ…あざみの歌☆(伊藤久男)、あざみ嬢のララバイ(中島みゆき)
- 夾竹桃…夾竹桃の咲く頃(美空ひばり)
- カンナ…赤いカンナが咲いていた☆(安達明)
- 勿忘草…忘れな草をあなたに☆(梓みちよ)
- すみれ…すみれの花咲く頃(宝塚歌劇)、すみれ色の涙☆(ブルーコメッツ、岩崎宏美)
- さんざし…さんざしの花咲けば(舟木一夫)
- くちなし…くちなしの花(渡哲也)、くちなしのバラード(舟木一夫)
- きんぽうげ☆…(甲斐バンド)
- チューリップ…チューリップのアップリケ(岡林信康)
- はなみずき…ハナミズキ(一青窈)
- ワレモコウ…吾亦紅(すぎもとまさと)
- マリーゴールド…(あいみょん)
- あじさい…あじさいの雨(渡哲也)
- 二輪草…(川中美幸)
- サボテン…サボテンの花(チューリップ)
- 曼殊沙華…(山口百恵)
- 彼岸花…(森昌子)
- ハルジョオン、ヒメジョオン…(松任谷由実)
- ダンデライオン(たんぽぽ)…(松任谷由実)
- 山茶花…さざんかの宿(大川栄策)
- スイトピー…赤いスイトピー(松田聖子)
- エリカ…エリカの花散るとき☆(西田佐知子)
- コスモス…秋桜(山口百恵)、コスモス街道(狩人)
- シクラメン…シクラメンのかほり(布施明)
- ひまわり…ひまわり娘(伊藤咲子)
- ひなげし…ひなげしの花(アグネスチャン)
- 椿…アンコ椿は恋の花(都はるみ)、雪椿(小林幸子)
- からたち…からたち日記(島倉千代子)
- みかん…みかんの花咲く丘(川田正子)
- 水仙…花水仙(八代亜紀)
- ホウセンカ…鳳仙花(島倉千代子)
- 梅…梅の実がなった(荒木一郎)
- 花梨…(柏原芳恵)
- 沈丁花…(石川さゆり)
- アカシア…アカシアの雨がやむとき(西田佐知子)
- バラ…バラが咲いた(マイク眞木)、君は薔薇より美しい(布施明)、百万本の薔薇(加藤登紀子)、野バラ咲く路(市川染五郎)
- リンゴ…白いリンゴの花が散る☆(北原謙治)、リンゴ花咲く故郷へ(三橋美智也)、リンゴの花が咲いていた☆(佐々木新一)、リンゴの花咲く町☆(高石かつ枝)リンゴ追分(美空ひばり)
- 桜…さくら(森山直太朗)(ケツメイシ)、桜(河口恭吾)(コブクロ)(斉藤和義)、SAKURA(いきものがかり)、夜桜お七(坂本冬美)、桜坂(福山雅治)、サクラ咲ケ(嵐)、同期の桜(鶴田浩二)
大まかに言えば、リンゴの花が廃れ、桜だらけである。咲いて散る姿が、絵になりやすく、卒業や別れも含めて書けるし、極めて安易なのだ。おまえら、桜しか書けんのか?
今頃の歌詞は、歌詞になっていない。「好きです」「君がいちばん」「いつまでも一緒に」…なんじゃい。詩でも詞でもない。ただの言葉のサラダに過ぎない。
とにかく、花の付く唄は、どれもいいが、桜だけは好かんのじゃ。どいつもこいつも、うんこに群がる糞蝿の如しじゃ。
『あざみの歌』 作詞:横井弘 作曲:八洲秀章 歌唱:伊藤久男(昭和24年)
山には山の 愁(うれ)いあり
海には海の 悲しみや
ましてこころの 花ぞのに
咲きしあざみの 花ならば
高嶺の百合の それよりも
秘めたる夢を ひとすじに
くれない燃ゆる その姿
あざみに深き わが想い
いとしき花よ 汝はあざみ
こころの花よ 汝はあざみ
さだめの径は はてなくも
香れよせめて わが胸に
※八洲秀章…さくら貝の歌、あざみの歌、山のけむり、毬藻の唄、赤色エレジー
※横井弘…下町の太陽、さよならはダンスの後に、赤い夕陽の故郷、山の吊橋、
達者でナ、川は流れる、おはなはん、ネオン川、虹色の湖