(5)・・・セカンドオピニオン・・・

昔、地上の旅人「セカンドオピニオン掲示板」に出会って首を突っ込んだところ、凄まじい地獄を見てしまった。
全国一律、津々浦々に、誤診・誤処方の被害者が居て、ひどい薬害に苦しんでいるのを知ってしまった。 もう何人を診たか分からなくなったが、多い時には、毎日3人4人と電話で話し、併せて県外から順番に来てもらって、実際の診療もやっていた。 大晦日や元旦にも、もちろん日曜にも診続けた。

関東の病院に入院中の子どもが、外泊許可をもらって、羽田からやって来たが、何人もの子どもがおむつをしていた。無用な薬剤で過鎮静になり、尿意すら分からなくなっていた。
慶応大付属病院精神科病棟の赤電話から、直接携帯に電話がかかり続け、皆さんの悲鳴にも似た叫びを聞きながら、どうしてあげることも出来ず苦しい日々だった。
睡眠時間4時間の毎日の末、ダウンして寝込み、5年間を棒に振ったが、ただで転ぶのは勿体ないので、その間に漢方の勉強を少しだけやった。

今も、細々とセカンドオピニオンは続けているが、これにより得るものは大きかった。間違った精神医療の洗脳状態から、僕を脱出させてくれたのも、セカンドの皆さんだった。
これが無かったら、今も精神薬を処方し続け、ベンゾジアゼピン依存や離脱症状など、見て見ぬ振りだったかもしれない。

(出典:精神科セカンドオピニオン – 笠陽一郎)