(67)・・・感覚過敏・・・

 いつも言っていることだが、発達障害はスペクトルなので、誰にも無い人はいない。要するに、濃淡に過ぎない。濃いと重症、淡だと軽症…とも違う。生育歴や、学校(会社)とのミスマッチの有無で、二次障害が出たり出なかったりする。

 初診で、親に「発達障害の要素が土台にありそうです」と告げると、辛そうに涙ぐむ人も多い。う~む、なかなか偏見があるものだなぁ。

 発達障害には3種類があって、自閉スペクトラム症(ASD)≒アスペルガーとADHD(又は、ADD)それに、学習障害(LD)に分ける。しかし、僕はそうは思わない。3つがミックスされた人の方が、圧倒的に多いのだ。つまり、ミックススペクトルである。

 発達障害には、トゥレット症候群、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、吃音など、合併するものが多いが、これは別稿にて・・。

発達障害は、極の特性だとも言える。あまり眠らない人や眠り過ぎる人。とことん片付ける人やゴミ屋敷の人。気遣いが凄い人から、空気が読めない人。自閉でこもる人から、多動で動き回る人。いずれも、極から極である。極に近いか、中程に近いか?ただそれだけと言っても良い。100人100様の極を持つ人たちを、発達特性と言ってもいいだろう。

 特性の一つが、感覚過敏である。これも、きつい人から、過鈍という極まである。寒がり過敏に対して、冬でも寒さを感じない過鈍もよく見かける。外来には、感覚過敏(過鈍)のつわものが、どんどんやって来るから、僕の感覚過敏など、甘っちょろいだろうが、参考までに書いてみよう。

 聴覚過敏では苦労した。まず。保育園などで昼寝が出来ない。隣の寝息がうるさくて、寝たことが無い。未だに、耳栓の世話になっている。
親父が、食事をぐちゃぐちゃと食べる音が辛くて、長年食欲不振に悩まされた。ひどい時は、咀嚼音だけじゃなく、嚥下音まで辛いのだ。人と一緒の食事がつらかった。

 旅行は出来ないに等しいが、修学旅行や出張など、3泊くらいは一睡もしない。もちろん、高所恐怖で、飛行機には乗れないし、乗り物にも酔ってしまう。小学校の時には、ブランコに乗るとすぐ酔うので、乗らなかった。バスがやってくると、乗る前から臭いに反応して、吐いてから乗ったこともある。

 特殊な環境なら、昼寝が少しばかり出来るようになったが、大体は、周囲を見渡しながら寝ているから、ええ格好言えば、忍者のようなもの。大雑把に言えば、生涯の昼寝ゼロと言ってもいい。朝起きも、予定した時間にピタリと起きることが出来る。目覚まし時計は要らない。二度ほど、入院したが、昼寝はゼロで、夜の睡眠も2~3時間だったから、病気は悪くなる一方になる。

 年老いて今は、暑がりで寒がりで、痛がりで怖がりである。しかし、子ども時代は、服を衣替えするのが嫌で、汚れても破れても、同じものを着たがった(同一性保持行動)。冬が近づいても、寒いと感じないから、半ズボンに裸足で遊び、親を困らせていた。

 痛がりの怖がりは今も同じで、歯医者のキィ~ンがおとろしくていかん。テレビで、ヘリコプターからの映像が出ると、さりげなく目をそらしている。
 汚れた服どころか、部屋とか体の汚れは全く気にならない(清潔恐怖)。異臭騒ぎがしても、僕は逃げ遅れるだろう。たばこのにおいとか、何も困らないが、酒の臭いには過剰に反応する。味覚も過鈍で、何でも食べるが、嚥下過鈍があって、ものを喉に詰めて大騒ぎした事数知れない。皮膚感覚は、かなり過敏で 低気圧が近づけば、予測できる。猫舌なので、なんでも熱いものは避けるが、仕方が無いときは、水や氷で薄めないと食べる(飲む)ことが出来ない。コーヒーとかシチューはお断わり。

 時間感覚は、鈍くて苦労する人も多いが、僕は、真逆である。なんでも、予定や予約(散髪屋など)があると、相当に早く出かけて、近くで待っている。昔は、会合などがあると、前日から下痢をし、微熱が出て、よくドタキャンした。今も、毎朝4時前から起きていて、6時前後に出勤するが、書類書きなどの用事があると、5時ごろに着いている。せっかちで、なんでも早めに済ませないと不安なのだ。

 自分の毛や髭がこそばくて、手や顔の毛(髭)を、一本一本抜いていたこともある。やめられない止まらない症候群だが、抜毛症の苦しみもよく分かる。

世の中には、上には上があるもので、長野の女性だったか?放射能が感知できると言って、とうとう精神病院に入院させられた人が居た。支援者が調べたら、全部当たっていて、その人は無事退院できたと聞いたことがある。

あ~あ、ややこしや。難儀じゃのう。

(出典:イラストAC

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