(166)・・・認知機能検査・・・

 5月4日が来ると、75歳(後期高齢者)になる。ということで、運転免許証更新に際し、認知機能検査を通過せねばならない。視力は、右眼が健在?なので、0.7のラインすれすれである。

 自慢じゃないが、元来、記憶力と計算力が極めて弱く、まして近頃は老いゆえに、ぼけてしもて、どうにもならん。前もって、ネットには問題が出まわっているので、覚えて行けばいいのだが、容易じゃないのだ。

 イラストをA、B、C、Dの4パターン、それぞれ16枚ずつ覚えなければいけない。全部で、64枚である。4パターンのうち、どれかが出題されるから、本番では16枚である。そのイラストを、4枚ずつ15秒くらい見せられて、次々16枚。その後、別の問題を出されて、忘れた頃に解答を書かされる。

 例えば、「大砲、オルガン、耳、ラジオ、テントウ虫、ライオン、たけのこ、フライパン、物差し、バイク、ぶどう、スカート、ニワトリ、バラ、ペンチ、ベッド」という具合である。

 自動車教習所に試験が委託されていて、指定日に行ったのだが、待合室には、まさにお爺さん、お婆さんが並んでいる。ほおか、皆同級生か?よいよいじゃが。

 いざ、試験場に案内され、12名ほどの受験者がぞろぞろと入室する。杖ついて、もたもたしか歩けんのに、その時だけは、素早く最後列左隅の、カンニングポイントに滑り込んだ。

合格点は、75点じゃけん軽く通るだろうが、念の為、50年ぶりにカンニングペーパーを忍ばせておいたのだ。

 近頃、カンニングがバレる事件が、ニュースで放送されていたが、見つかるのはアホである。この日は、必要が無かったが、自分流でやれば絶対にバレない。受験生12人、試験官4人だが、カンニングポイントにさえ座れば、簡単である。

 最初の問題は、「今日は何年、何月、何日、何時何分頃ですか?」

これが、案外すっと出て来ない。やっとのことで、令和4年に辿り着く。

 もう1問は、「時計の文字盤を書いて、8時20分の針を書け」というもの。腕時計を持たなくなり、アナログ時計も見ないから、アホな質問でも簡単じゃない。

 そして、イラスト16枚である。こんなもの、ネットで予習していないと、覚えられる訳がない。隣のおいさんは、5つ。前のおばさんは、4つしか書けていなかった。4割が落ちるらしいから、75歳には難問である。

 16枚のうち14枚しか思い出せず、ヒントにより、残りの2枚を書けたので、総計96点だった。予習をして行って、この調子である。とほほ。

あとは、もう一日…静止視力、動体視力、明反応などを測り、実地指導があって、ようやく講習終了証を貰えることになる。午後は、座っているのも辛いので、我慢我慢の時間だった。次回の78歳時が思いやられるわい。

(出典:イラストAC