(159)・・・毒舌相談室(8)『死んだら』・・・

「あの~あの~…死んだらどうなるんですか?」

「死んだら、何も無うなるだけよ」

「いや~あの~先生が死んだらどうなるんですか?」

「よいよい、わしの事か?まだ、予定が立っとらんのよ。死ぬまでは、生きとるけん大丈夫じゃ。うるさいのが居らんようになるけん、ラクになるぞな」

「何をよもだ言いよるんですか?真面目な話…私らは、どこにかかればええんじゃろ?」

「おうおう、ほうじゃほうじゃ。それが頭痛いんよなぁ。院長が居るけん、しいのきに通えばええんじゃけんど、院長一人では、もう抱えきれんじゃろなぁ」

「漢方中心でやってくれるんは、どこですか?」

「ほんなもん、あらへんあらへん。どこ行っても、精神薬を盛られるぞな」

「ほじゃけん聞いとるんですよ」

「ふ~む、困ったもんじゃ。皆に言うとるんは、早よここから卒業おしや。それから、自分の処方をよおに頭に入れとくことよ。医者の言いなりにはなられんぞな」

「年金や自立支援なんかは、更新できるんですか?」

「そりゃ、大丈夫よ。全部残しとるけん、心配は要らんがな」

「何かの時に、相談しよ思ても困ってしまうんです」

「医者依存は、一番いかんことよ。どうせ今でも、3分診療じゃけん、わしが居っても居らんでも一緒じゃがな。自分の主治医は、自分じゃけんな」

「すみませんが、あと何年ぐらい診察するおつもりじゃろ?」

「明日のことが分からんのに、どう言いようもないぞな。コロナに罹れば、高齢者+基礎疾患+ステロイド服用じゃけん、イチコロよ」

「元気そうにみえるんですけどねぇ?」

「口だけは元気じゃわい。足が立たんのと痛むんが困るんよ。誰にもそういう姿は見せんようにしとるけん、知っとるモンが居らんだけよ」

「他に悪いとこ無いんですか?」

「健診を受けん主義じゃけん、何も知りとうないんじゃ」

「目は見えとるんですか?」

「左が見えん。おまけに、皆がマスクしとるけん、誰が誰やらわからんのよ。もの忘れもひどいしなぁ」

「大丈夫ですか?心配になって来た」

「徐々に、午前中だけの診察にして、あと5年、80歳まではやろか思とるんよ」

「ほうじゃ、その調子ですよ」

「皆がトコトンこき使うけん、わしゃほうがい可哀想なかい」

(出典:イラストAC