雑言集…(027)【父ちゃんへ✏ 】
父ちゃん、そちら(天国)で、のんびりしてあるますか?
あんた、よう頑張りましたなぁ。いやはや勇ましかった…頼もしかった。
日本を敵国から守るいうて、格好よかったなぁ。女子どもには分からん…黙っとれ言うて、よう軍隊に志願してくれました。
あんたが、ビビりじゃいう事は私だけはよう知っとりましたけんな。ようションベンちびりよりましたなぁ。心配いらへん、息子には内緒にしとりますがな。
戦争は、たった一瞬、半日で負けたけど、おかげで私らは無事ですわ。国際法違反いうて非難されとりますけど、「生きとるだけで丸儲け」ですわ。
聞いた話だと、閃光で骨まで溶けて、一瞬で線香になったとか(洒落言うとる場合か?)、苦痛を感じる暇も無かったとか。父ちゃん、痛がりじゃけん、それだけは良かったです。私らも骨焼く手間も省けたし、あんまり仰山死んだんで、葬儀屋も手が回らず、葬式も無しですわ。葬式代も消費税も払わんで、助かりましたわ。
父ちゃん、ありがとう。息子ものびのびして、学校に行き出しました。これからは、自分の生き方は自分で決めるいうて、主体性も出て来ましたよ。
制服も無くなったし、思い切り茶髪で楽しそうですわ。
世の中も街も静かになって、皆のんびり暮らしてます。取り憑かれたように宗教やっとった人も見かけんし、日の丸なんかどこ行ったんじゃろ?
これからは、女も年寄りも助け合うて暮らせるし、外国の人とも仲良うせなあきませんな。
もう「何でも毒親が悪い」なんか言う人は居らんようになりましたがな。
父ちゃんらが残してくれた教訓ですわ。本当にありがとうさん。
もうそっちでは、勇ましいこと言わずに、等身大で暮らして下さいね。ほなまた。
