(147)・・・北京オリンピック・・・

 いくらスポーツファンとは言え、後味の悪いオリンピックだった。ドーピング問題や不可解判定は、いつでもある事だが、肝心のIOCが、煮え切らない判断を繰り返した。習近平とプーチンの財力による五輪支配を許し続けた「ぼったくり男爵バッハ」は、追放されるべきだろう。そもそも、国家の覇権争いに堕してしまい、且つ商業主義に汚染されたオリンピックなど、廃止すべきである。

 この期に及んで、札幌誘致などと言っている日本の国際感覚の無さは、今更ながら、呆れるばかりだ。東京五輪で、さんざん無駄金を使い放題して、得たものは何だったのか?終わってしまえばもう知らん顔。反省どころか総括もせず、誰も責任は取らない。

 コロナ禍で、自宅療養者が亡くなっているのは、安部、菅、岸田政権でも一向に進歩が無い。使うべき予算は、適材適所に廻すべきだが、無能の底が知れないから、国民の命など軽視され続けている。

 大阪維新でも、IR誘致や万博ばかりに力を入れて、カネをつぎ込み、一方、コロナ関連死は、全国一。コロナの記者会見でさえ、万博のジャンパーを着ている吉村など、大阪人の命より、維新の売名こそが大事らしい。

 さて、北京五輪で、最も腹が立ったのは、NHKである。

まず、各競技を紹介するアナウンサー(主に女性)は、いかにも素人ばかり。台本片手に読むだけの進行だから、スポーツに対する熱い思いなどある訳が無い。チャラチャラしたおしゃべりと、メダルを取った、取れなかったと騒ぐのが、ただただうるさかった。

 しかも、昔美人アスリートと言われたゲストを並べたから、いかにもあざとかった。例えば、カーリングの市川美余、スノーボードの藤森由香、フィギュアスケートの八木沼純子、アイスホッケーの笹野文香、スキーモーグルの上村愛子、スピードスケートの岡崎朋美などなど。

 これじゃ、視聴率を稼ぐ必要のある民放そのものである。

日常の放送でも、おちゃらけバラエティを真似したり、「たけしの~」「さんまの~」「鶴瓶の~」「所さんの~」など、全く民放の追っかけ番組ばかりである。

 五輪のようなスポーツ報道で、NHKに求められているのは、どの競技も公平に扱い、メダル争いじゃなく、地道にスポーツに取り組んでいるアスリートにこそ、スポットを当てるべきだろう。入賞者さえ放ったらかしの上、一緒に斗った外国選手など、紹介さえしない。

 女子スノーボード・ビッグエアで11位に終わった鬼塚みやび 23歳。もう、10年前から世界各地を転戦して来たパイオニアであり、ワールドカップの優勝回数も多いのだが、なにより北海道でも長野でもなく、南国熊本出身である。残念ながら、最後の大技に失敗して、下位に沈んだ。17歳の村瀬心椛ここなが銅メダル、20歳の岩淵麗奈が4位だった。村瀬はもちろん、縦三回転に挑んだ岩淵ばかりにスポットが当たったが、ここまでの道のりを切り拓いた鬼塚には、一言も触れること無し。

 レジェンドと言えば、ジャンプの葛西紀明という事になっているが、スノーボードの女子パラレル大回転竹内智香は、6大会連続。ジャンプの伊東大貴は5大会連続である。葛西は、サッカーの三浦和義と同じで、第一線から落ちても、ただ続けているだけの偽レジェンドだが、本物のレジェンドは、第一線を維持できているのだ。

NHKは、葛西、羽生、藤澤五月、小林陵侑りょうゆう…と、一度言い出したら、しつこいしつこい。そんな暇があったら、女子アイスホッケーの頑張りにだって、もっとスポットを当てるべきだろう。

 僕が決める今大会のMVPは、スキークロスカントリーの石田正子(41歳)である。オリンピックは、5回目。世界大会は、もう10年以上出場し、表彰台にもあがり、アジア、日本では無敵の王者である。今大会は、女子スキーアスロン:27位、女子クラシカル10km:27位、女子リレー(第1走者):11位、女子フリー30km:26位だったが、この過酷なレースを4本走り、テレビに映ったのは数十秒だけ。こういう人こそ、アスリート中のアスリートとして、レジエンドと呼ばれるべきである。

 あれほど騒ぎ続けたNHKも、お祭りが終わったら、一切何も報道しない。高梨も小林も渡部暁斗も石田も、ずっとヨーロッパを転戦していると言うのに…。

スポーツキャスターで株を上げたのは、フジテレビ系の村上信五(関ジャニ∞)だった。マイナーな競技でも、アスリートをリスペクト出来ていて、◎を5つくらい上げたいくらいだった。

 また、NHKに戻るが、何でもかんでもBSにまわして、BS放送の受信契約に繋げようとするのは、あざとい!裁判してでも、受診料をかき集め、その癖、視聴者ファーストなど考えてもいない。だから、肝心かなめの平野歩夢を、ちょん切ってしまったのだ。恥を知れ!

 NHKには、言い出したらキリがないが、ついでにもう一言。歌番組だが、三山ひろしに、じっくり歌わせず、まるで三枚目の「けん玉野郎」にしてしまった。歌手は、歌ってナンボである。無茶苦茶な衣装競争の末に捨てられた、美川と小林幸子も哀れである。

 最後にもう一つ。ロシアの侵略行為について、CNNやBBC、TBSやNTVでも、ウクライナ現地から、勇敢な報道をしている。しかし、NHKは最初から逃げてしまい、スタジオから無駄口ばかり叩いている。ニュースなど、つまらぬ原稿を読むだけなら、やめてしまえ。NHKの腰抜け記者は、ジャーナリストなどと自称してはならない。やめい、やめい、皆やめてしまえ!

(出典:イラストAC