(192)・・・アベシンゾー事件雑感・・・

  1. ロスジェネ世代という言葉がある。一般に他世代に比べて雇用・教育・社会福祉面での負担を強いられ、価値観の転換を迫られた世代であり、日本ではバブル経済崩壊後の就職氷河期に社会に出た世代である。1990年代なかば以降の不況期に学校を卒業し、求人数が厳しく制限された時代に就職活動をした。大体は、1970年代〜1980年代初頭に生まれた世代が該当する(現在、40〜50歳台)。格差問題が注目されるようになった2000年代なかばにロスト・ジェネレーションと呼ばれるようになり、「ロスジェネ」と略されるほか、「失われた世代」「さまよえる世代」「氷河期世代」「格差世代」などとも言われる。正社員として就職できず、アルバイト、派遣社員、契約社員などとして職を転々とする人が増え、フリーターやニートなどの言葉も生まれた。
    今回の狙撃犯は、41歳である。

  2. こういうしいたげられないがしろにされた世代の、鬱屈したマグマが、この国には溜まっている。そして、アメリカから10年遅れにやって来る風潮として、自殺より他殺(という巻き添え自殺)を選ぶ者が、増えるのだと言う。

  3. 大本営発表を検証しないマスゴミ報道は、信用ならない。安倍の不名誉になる事柄は、素直に出しては来ないだろう。報道の自由度世界46位という情報後進国ニッポンである。例え悪党でも、死んだら、「追悼」という名の忖度番組まで登場し、キモチワルイ論調が増えるだろう。

  4. 「暴力は悪い」「テロは許せない」など、テレビも新聞も耳にタコが出来るほど同じことばかり言う。じゃあ、それをウィグルやチベット、イラクやアフガン、ウクライナやパレスチナの人たちに言うて見い。ロシア、アメリカ、中国などの横暴、圧殺に対し、どうやって斗えばいいのだ?
    テレビの前で、屁こいて寝ながら、全てをよそ事のように考え、この国にある不正、不公平、貧困格差と斗わぬ人には、「寝言は寝て言え」と言っておこう。僕の外来でも、3食を2食にし、2食を1食にし、エアコンは決して付けず、店じまい前のスーパーの総菜を頼りに生きる人たちが増えた。皆が皆、羊のままとは限らんぞな。

  5. 高市やスガや小泉が、「民主主義に対する暴挙だ」と、やたら民主主義を唱えだした。おまえら、その口が言うな。少数者、弱者を圧殺し、民主主義を破壊してきたのは、アベ自民党ではなかったのか。選挙のたびに、札束が飛び交い、公職選挙法違反を繰り返して来た「耄碌もうろくじじぃの集団」が、今更、民主主義を言う資格なぞ無い。

  6. 僕の周囲には、快哉かいさいを叫ぶものばかりである。庶民大衆の怨嗟えんさの声が聞こえないなら、政治家の資格は無い。甘い蜜を吸って来た「アベ友」たちと共に、人民裁判にかけ、市中引き回しの上、徹底的な自己批判をさせ、打ち首にした方がよかったのだ。死んだのは、残念である!

  7. アベのバックに居るのは、「日本会議」である。神社本庁(明治神宮)+靖国神社+旧生長の家(谷口雅春)が、カルト史観、戦前の天皇中心の専制主義回帰、大和民族選民主義を、カラッポ頭のアベに植え付けたのだ。実際は、皇室利用者として、前の天皇や美智子に嫌われていたアベシンゾー。その癖、天皇中心主義で、宗教と政治の分離を否定し、国民主権を否定する。曰く、「1.皇室の尊崇」「2.憲法改正」「3.国防の充実」「4.愛国教育」「5.家族観の重視」であり、その行き着く先が、瑞穂の國安倍晋三記念小學院(=森友学園)だった。アベ、霞が関、松井一郎一派(維新)が、国有地をタダ同然で払下げ、古色蒼然とした時代錯誤の学校を作ろうとしたが、汚職がバレてしまい、慌てて「トカゲの尻尾切り」(籠池泰典切り)をして、皆がトンズラした事件である。

  8. もう一つ、宗教と言えば、統一教会(政治組織は国際勝共連合)との腐れ縁がある。霊感商法と合同結婚式で、多くの破産者を出した反共カルト組織(詐欺集団)だが、アベとトランプは、ここに肩入れしていた。票とカネのやり取りがあったのだろう。庶民を騙し、拉致監禁し、巻き上げた金を政治資金に還流する自民党を許してはならない。

  9. また別に、戦前回帰の議員連盟「神道政治連盟」というものもある。自民党議員が、200人以上所属していて、以前、森喜朗が、「日本は神の国」発言をして、物笑いになった。最近は、「同性愛は精神障害…依存症の一種である」などと書いたパンフレットを配って、物議を醸している。アタマのおかしい年寄りが、まだウジャウジャ棲息せいそくしているのだ。

  10. 昭和史を掘り下げ続けた半藤一利(夏目漱石の孫の夫)の言葉が重い。「社会が戦争に向かう危険な兆候」とは…?(青木理の一文より引用)
    ①被害者意識と反発が国民に煽られる。
    ②言論が不自由になる。
    ③教育が国粋主義に変わる。
    ④監視体制が強化される。
    ⑤ナショナリズムが強調される。
    ⑥テロの実行が始まる。

  11. ホリエモンやネトウヨが言うには、何でも安倍が悪い…という「アベガー症候群」の連中が引き起こした事件だそうな。ははは、薄っぺらい。ははは、無知の極み。半藤が言うように、これには歴史的重層性があり、ナショナリズム(愛国主義)のキナ臭さが漂っている。全て、悪いのはアベであり、アベ的なものである。この国が、ロシアや中国のようになっていいはずがない。

  12. あれほど色々あった夫婦だが、これ以降は、「オシドリ夫婦」として扱われるだろう。昭恵は、悲劇のヒロインになる。…しかし実際のオシドリは、毎年相手を変えるそうじゃ(笑)

  13. この事件の後、知り合いの患者たちに不安が広がっている。その不安は、残念ながら当たっている。国家権力は、牙をむき出しにし、監視と弾圧を強めるだろう。ますます、ナショナリズムの高揚を図り、憲法改正(第9条破棄)と軍事国家へと突き進むだろう。アベの思う通り、少数者、弱者の切り捨ても進むだろう。奴らにとって大事なものは、国民じゃなく国家である。我々は、快哉とばかり喜んではいられない。反動のおそろしさよ。国家主義者、自民と維新(と参政党)。
    ここに操られる衆愚しゅうぐたち。世も末じゃ!

  14. 笠陽一郎、殷鑑いんかん遠からず、以って他山の石とすべし。精神医療加害者として、数え切れない罪を背負っている。誰に、いつ殺されてもおかしくはない。もちろん、覚悟は出来とるぞな。