(15)・・・74歳雑感・・・

遂に、また一つ年を取った。外来で、「婆ちゃん、元気でおるんぞな」などと言いながら、「あれ?向こうが年下じゃった…」と苦笑することが増えた。どうしても、人生を振り返り、断捨離をしたくなる。
このブログを始めたのも、そんな気分だった。

だから、敢えて誰にも知らせていない。読んでもらう…というより、個人のメモ帳レベルかな。鋭い人は、「(先生が死んだら)あとは、どうしたらええんぞな?」と聞いて来る。「ここには、若い院長が居るがな、何にも心配いらん」と答えている。

いずれ居らんようになるんじゃけん、今から消えてもええわい…と思う気持ちが芽を出しそうになる。体調が悪いと、診察室に座っているのも、やっとの時がある。いやいや、最後まで晩節を汚しながら、座っていよう…と思い直す毎日である。付き合いの長い人は、神戸時代の同年輩、49年来になる。45年、40年来の人も、随分少なくなった。老成し、成熟するなら、老いぼれでもいいと思う。

しかし、我ながら、まだまだ血の気が多く頑固だから、ただ気難しい老人になっただけで、あとで反省することばかり。過去を振り返るのは辛すぎて、写真の1枚も残していない。昔の物は、すべて処分した。若気の至りでは、済まない日々。アスペルガーの、空気読めないでは、弁解にもならない。書ききれないほどの出来事があり、多くの人を見送った。

個別に書きたいのだが、「あの先生、個人情報を垂れ流しよる」と言われるのが難儀になった。デフォルメして書いているのに、「あれは、私の事じゃろ?」と、怪訝な顔して疑われるから、なかなか書けなくなった。昔のような、シンナーやボンド中毒が居なくなった。覚せい剤も減ったし、大暴れするアルコール中毒にもお目にかからない。刃物で襲われるようなこともなく、リストカットすら激減した。

一方、高齢者の譫妄せんもうなどは、圧倒的に増えたと思う。(→後日)以前は、休日でも電話が鳴って、休むことも出来ず、車で走り回った。最近は、全員に携帯番号を教えているにも関わらず、ほとんど電話が鳴らない。ショートメールだけは、何十本と入るが、急を要するものは少なくなった。これは、何でだろう?

こちらが年老いたから、手加減してくれている?頼ろうにも、頼れないから、諦めている?社会の変化に伴う患者層の違いかな?自分では、精神薬をなるべく避けるようになって、脱抑制、衝動性亢進が減ったのでは?と、いいように解釈している。

ゴールデンウィークだの、正月だの、誰にも会わないで暮らすのは、嫌いじゃない。このサ高住では、コロナ対策もあって、人同士の接触は避けている。平日でも、皆が寝ている早朝に出かけ、誰にも会わずに帰宅する。
結構な脱俗気分である。仙人にでも成れんかなぁ?(いや、賤人じゃ…)

(出典:シニアの安心相談室

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