(187)・・・ブラクジラ<湧水の町>・・・

 伊予郡松前町まさきちょう。松山市の南で、伊予市との間にある大きな町。愛媛県の自治体で、山が無いのはここだけである。普通なら、松山市と合併するところだが、東洋レーヨンやエミフル松前などがあり、税収があるので、自立している。

 山もビルも無いから、あたり一面、どこまでも平野だけ。昔は、漁師町。その後、農作(米→麦)がメインになって、今は野菜の町かな。

 平成6年に、松山地方は大渇水に見舞われた。石手川ダムは、湖底が露出し、重信川は完全に干上がってしまう。プールも銭湯も、工場も部活も給食も停止。124日にわたる取水制限が続いたのだ。(今年も相当に危ないぞな…)

 その時にでも、松前だけは、水が十分にあり、取水制限は必要なかった。それは、重信川の伏流水が豊富だからである。もともと、重信川は、松前の中央を流れており、今も、大谷川が松前港に、長尾谷川が新川に注いでいる。

 伏流水は、ところどころで湧水(泉)になって、池や川を作っている。だから、隣の東温市にも、湧水池がいくつもあるらしい。

 まずは、松前のひょこたん池と福徳泉に行ってみた。水が湧き出ているから、周辺には草木が繁茂し、そこに鳥や昆虫がやって来る。それを、公園にしたものが、4か所あるようだ。昔の記憶(小学校の遠足で行った)としては、小さな泉だったが、行ってみると大きくて、僕には歩けず、ただ、眺めただけ。

 歩行トレーニングの為に、どこにでも出かけるのだが、実際はあまり歩けないのが、残念からげるわい。泉には、名前も知らない花々が咲き乱れ、どこも涼しくて、真夏にでも来たいところである。ひょこたん池には、地元出身の中村草田男の句碑があり、ジャスミンの花盛りだった

最後に、有明泉にも行った。ここは、どこかレトロな町並みが残り、昔の洗濯場も残っている。夏には、灯篭流しが催される場所でもある。

 どこの泉にも、日本の原風景が残されている。クワガタ、トンボを追いかけ、フナやコイにも出会えて、おまけにリスや鴨まで登場するらしい。花菖蒲が水辺に咲き、白爪草や紫陽花が繁茂して、いつも蝶々が舞っている。

スマホ依存の子どもに悩まされる大人たちに言いたい。大人たちこそが、こういう場所で遊んで来ただろうか?子どもは、親の背中を見とるんじゃけんな。

①ひょこたん池
➁ひょこたん池
③ひょこたん池(草田男の句碑とジャスミン)
④福徳泉
⑤有明泉