(10)・・・反権力、反権威・・・

小学校6年の時、安保闘争があって、「安保反対、岸を倒せ」というシュプレヒコールが、国会を取り囲み、今にも国会突入という寸前で、樺美智子さんが死に、闘争は破れてしまった。

安保が何かを知らないまま、群衆側を応援して居たら、何でも自民党大好きの親父に、「岸さんは偉いんぞ」と怒鳴られた。CIAから金を貰っていた岸と、沖縄密約の弟佐藤栄作、そして、岸の孫、安倍晋三の系譜は、一生懸命にこの国をアメリカに売り渡し、属国化を推し進めて来たのである。その前の年に、皇太子と美智子の結婚があり、長嶋茂雄のデビューを、読売新聞は大袈裟に売り込んだ。後の、天覧試合のホームランにも繋がって行く。

そして、右肩上がりの景気に乗って、オリンピックや万博が、国民の目くらましに使われて行った。そんな時代に、小、中、高校時代を過ごしながら、徐々に世の中が見えて行った。ただの受験予備校のような高校時代に、日本史の教師が、少しだけ、裏面史を話してくれたのが、唯一、学問らしい時間だった。
人は生まれながらに、平等である…というのは。新聞の大見出しは、決して真実ではないこと。権威が権力を生み、権力が権威を装うということ。この世は、悪党が勝ち組になり、真面目な者は損ばかりする。
巨人、大鵬、自民党、トヨタや読売、パナソニック、皆嫌い。オリンピックや万博など、一部の利権屋の為にあるもの。そんなこと、中学~高校時代には、はっきり分かっていた。

話は飛ぶようだが、ただの勉強嫌いもあって、大学の講義はほとんど無視していた。教科書は、全部古本屋に行って、何も残っていない。卒業して、どうしようかと思ったが、内科や外科には、優秀な奴が入ってしまい、椅子は残っていない。誰ひとり応募の無かった精神科は、「来るならどうぞ」という感じ。ここでも色々あったが、早々に精神病院に出向し、医局の勉強会はフェードアウトした。そのうち、神戸に居ることが「違和感」になり、田舎者は松山に帰リ着いた。そのまま、大学や学会とは無縁の生活になって、ろくでもない洗脳からは身を守ることが出来たのだ。

…いやいや、しかしである。精神病院には、毎日毎日製薬会社のプロパーがやって来て、知らず知らずのうちに、レクチャーを受けているようなものだった。つまり、旧来の精神医療からは一歩も出ることのない洗脳生活が待っていたのである。

(出典:国会前で安保法案反対デモ