(162)・・・原発反対・・・

 古賀茂明の一文を読んで、大いに共感したので、その内容を紹介したい。

日本には地震が多いから耐震性を高めることが重要だということは、誰もが分かっている。ところが…日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きている。

そのうえで、民間の耐震住宅、例えば、住友林業、三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発は650ガル、高浜原発は700ガルと日本の原発の耐震性は非常に低いのだ。

国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られていると信じている(騙されている)。

 次に、万一事故が起きた時に、損害をすべて賠償する為、電力会社は、民間の保険に入ってほしい。「極めて安全で事故が起きる確率が極めて低いなら、非常に安い保険料で保険を引き受けてくれるはず」である。ところが、どこの保険会社も怖くて、安く引き受ける所は無いのである。それは、当たり前の事だろう。「原発が安全」などと、誰も思っていないのだから。

次に、各地の原発自治体では、避難計画が行われている。ところが、その万全性を担保する為に、原子力規制委員会の審査を受けているかと思いきや、実際には全く審査されてはいない。じゃあ、どうして規制委員会の審査を受けないのか?答えは、明瞭である。今のような避難計画では、審査が通らないのである。

分かりやすく言えば、八百長芝居のような、形だけの「避難計画ごっこ」をやって、お茶を濁して居るのが実態である。

ウクライナ侵攻問題で、原発の安全性が改めて注目されるようになった。アメリカは、原発一基ごとに軍隊を貼り付けていて、テロ対策をやっている。しかし、ミサイルが飛んで来たら、軍隊が居ても無力だろう。

ドイツは、原発0を加速して、太陽光や風力発電を5倍に増やすと言う。

ドイツ、アメリカ、フランスなどでは、墜落した飛行機によって敷地内が火の海となり、すべての電源が断たれた場合でも、原子炉、格納容器、使用済燃料プールの安全性を守るための可搬式設備が整備されている。もちろん、そうした備えは日本にはない。それどころか、日本海側中心に、敵に狙ってくれと言わんばかりに原発が密集しているのはご存知のとおり。

 北朝鮮が今年に入って10回もミサイル発射実験を行っていることもあり、自民党保守派を中心に、今にも北朝鮮からミサイルが飛んで来るかのように危機感を煽る向きもある。敵基地攻撃能力の保有や、さらには核兵器の共有という話まで出て来た。そこまで危機が迫っているのなら、ウクライナ危機を教訓に、全ての原発の即時停止と使用済燃料の地下保管などの緊急措置を採るべきである。

ところが、事実はその逆であり、安全基準を下げて、原発の再稼働を急げと言うバカ議員ばかり…。やつらを選んでいるのは、我々国民なのだから、文句を言って行く先が無い。

核のゴミの最終処分場すら決まらないのに、核だ、原発だと騒いでいる。電気が足らなくなったらどうする?と、国民を脅しているが、なぜ、ドイツが出来ること(核廃棄)を日本が出来ないのか?

 太陽光、水力、潮力、風力、地熱などをフル活用すれば、十分に可能だと分かっていても、その資料は公開しようとしない。原子力ムラの利益の方が、国民の安全より大事なのだ。節電を庶民に呼びかける前に、夜中のテレビをやめて、無用なネオンサイン、過剰なイルミネーションなど、全部やめたらいいのだ。

 昔の社会党は、「非武装中立」と言って、笑われた。それに懲りたのか?今や、その一言も言おうとしない。しかし、何も間違ってはいないと思う。理想を追いかけて何が悪いのだろう?サンフランシスコ講和条約により、日本は安保条約下で、アメリカの属国になった。なので、反米国家は、アメリカ本土を叩く前に、前線基地がある日本を狙い撃ちするだろう。

 基地を無くし、安保条約を破棄し、日本が独立すれば、永世中立国になれるのだ。有害無益な軍事費は、自然エネルギーや困窮者対策に回し、小さくても理想を希求する,マトモな国家になりたいものである。

しかし…しかし…それを目指せば、日本がウクライナになり、アメリカはロシアになるだろう。やつらは、従順な属国を、絶対に手放そうとはしない。アメリカ人にとって、イエローモンキーを支配することなど、なんとも思っていない。だからこそ、ヒロシマやナガサキに原爆が落とされ、全国の各都市は空襲で丸焼けになったのだ。

あぁおとろしあ、おとろしあ。

(出典:イラストAC