(157)・・・クサレNHK・・・

(……NHKクレーム窓口の呼び出し音☎……)

(……の為、この電話内容を録音させて頂きます♪……)

「はい、NHKふれあいセンターでございます」

「あの、夕方5時からの番組…あれ名前忘れたんじゃが」

「はい、新しく始まりましたゆう5時でございますね」

「ほうじゃほうじゃ、そのゆう5時を、迂闊にもつけて聞いてしもたんじゃが、ありゃ、ひどいぞ。ウクライナの事を話し、国民の支援を要請したり…コロナの話で、また再拡大しとる、東京では、今日〇〇人の方が亡くなったと言いながら、どこやらの桜が満開じゃの、どこやらも綺麗じゃったじゃの、女性レポーターがキャッキャ、キャッキャと大騒ぎ。その次は、物価が上がって大変ですとアナウンサーの高瀬がニコニコ顔で言う。
すると、女子アナが、〇〇が10%も上がってました…女子レポーターが、〇〇なんて15%、チーズもパンも私の大好きなケーキも上がってます…と、ハイテンションでうるさいうるさい。ちっとも深刻じゃないけん、皆が笑顔いっぱいじゃ。不謹慎にもほどがあろがな」

「いえ、私共は明るい番組作りを…」

「何を言うとる?ウクライナで、市民や子どもの死体が次々見つかっとるのを、明るい番組作りじゃけん、笑顔で伝えるんかい?」

「いえ、そういうつもりではございません。話題によって切り替えて…」

「ニュースを読みながら、ウクライナの後、大谷がホームラン打ったら、急に笑顔に切り替えるんやな?」

「いえ、そういうわけではありません」

「わしはな、NHK弁解センターに電話しとるんじゃないぞ。おたくが、NHK会長なら、話は違うけんど、役目が違うじゃろが?ここで国民の声を集め、それを忠実にぼんくら中枢に伝えるのが仕事じゃろがな」

「はい、その通りでございます」

「物価が上がって大変じゃけん、食うにも困っとる人も居る。そういう視聴者に寄り添えたら、あんな笑顔のレポートなんぞできるかいな。NHKを見とらん人からでも、ヤクザまがいに受信料を集めまくって、おたくら、高い給料じゃけん、庶民の暮らしが分からんのじゃろ?」

「いえ、そんなことは…」

「年寄り臭いNHKが、若者に媚びた紅白歌合戦を企画したりしても、所詮ぼんくら中枢は、高学歴のじじぃばっかしじゃ。つまり、霞が関や自民党とセンスは一緒なんよ。三山ひろしに、けん玉ばっかしさせて、歌手に対するリスペクトが無さすぎるぞ。おまえら、いったい何様じゃ思とるんぞ。だいたい、NHKニュースなんぞ、分かっとる人は皆信用しとらんぞ。林外務大臣が、駐日ロシア大使を呼んで抗議した場面など、たった一言二言さえ、メモを読んで相手の目も見ん。表情に、怒りも抗議もうかがえん。ロシアの大使は、胸を張って立ち、林を睨みつけとる。逆に、反省文を読まされとる生徒みたいじゃったがな。あれを放送したら、…これじゃ抗議になっておりません…くらい言えよ。政府の出した情報を垂れ流すだけじゃったら、ロシア第一放送とどこが違うんぞ」

「はい」

「ええか。悲しいニュースは悲しみを。苦しいニュースは苦しみを表現せい。そのあとの明るいニュースは、急にはしゃがず、普通に淡々と伝えればええんじゃがな。お前らは、切り替えれても、わしらは悲しみや苦しさを抱えたままなんぞ。わかるじゃろが?」

「はい、その通りでございます」

「お前ら骨の髄まで腐っとるけん、どうせぼんくら中枢は変わらんじゃろ。その諦めの上で、それでも許せんけん電話しとるんじゃ。ちゃんと伝えるだけは伝えいよ」

「はい、お客様のお話は、そのまま伝えるようにいたします」

「物価が上がって、庶民は大変じゃ言うんなら、消費税をなくせキャンペーンでもやれよ。そうでもせんと、皆様のNHKじゃの、口先三寸みたいな気持ち悪い物言いはやめてくれ。わしは、匿名じゃないぞ。愛媛県松山市山越2丁目の笠陽一郎74歳じゃ。ちゃんと書いとけよ」

「はい、承りましたことは、正確に記録させて頂きます」

「最後になぁ、いっぺん慇懃無礼いんぎんぶれいという言葉を辞書で引いて勉強せい。ほな又かけるけん。ガチャン!」

(出典:イラストAC