(128)・・・2022年正月雑感・・・

 思えば、今年の4月、唐突に始めたこのブログも、128号までやって来た。基本的に、毎週2本ずつアップしている。

 そして、いつ死んでもいいように、何かを書き残そうとして来たのだが、大分くどくなった(松山弁なら、むつこなった)。回顧趣味であり、懐古趣味なのは、年寄りのせいばかりじゃないぞな。昔を振り返れば、児童精神医療のヒントが、山のようにある。早い話が、僕のようなめんどい人間を作らぬ為には、どうしたらいいか?子供心のどんな部分に、大人として、ヒントを見つけるか?子どもの話は、宝の山だと言いたいんよね。

 6日間の正月休み、半分は寝て暮らし、半分は、書類書きで終わるだろう。年賀状は、ずっと書くことはしないので、とことん休んで、いっぱい眠れると思ったが、毎朝ピタリ4時半に目が覚める。体内時計というやつは、よく出来ていて、目覚まし不要である。

 随分と、テレビを見なくなった。真偽不明の薄っぺらいニュース番組。うるさいだけのバラエティ。大声、奇声、裸になるだけの芸無しお笑い。素人の学芸会みたいな歌番組。これじゃ、国民をおバカにする装置でしかない。

 わずかに見れるのは、駅伝、柔道、剣道、バドミントン、ラグビー、競馬、格闘技など、スポーツ番組なのだが、スポーツを見ているのか、コマーシャルをみているのか、分からなくなりそうだ。言っておくが、箱根駅伝は、日本テレビ(読売)なので、もちろん×である。

 僕の知り合いに、Eテレばかり録画して、繰り返し見ている人が居る。だから、話題も教養に溢れて居て、会話がが聡明になった気がする。バカ番組ばかり見ていたら、脳が委縮するぞな。録画機能を扱えない機械音痴の僕は、それ以前に落第!

 去年の正月は、寝てばかりいて、足が一気に弱ったから、スーパーに出かけ、少しずつ歩いている。そうやって、また今年の仕事始めがやって来るのだろう。

 ブログの記事は、書きたいことは大体書けたので、いつ閉じても構わない。本当は、毎日のようにやって来る誤診誤処方の被害者を、きちんと載せたいのだが、プライバシーもあって難しい。デフォルメして書くのが精一杯である。

誤診のパターンもワンパターンであり、誤処方すら、製薬会社の誘導に従って、皆同じ仕組みである。なので、「症例報告」のリクエストはあれど、どれも似ていて、珍しくもない。

昔は、正月も診療を休まなかった。その後の正月休みは、必ず電話が鳴りっぱなしで、どこかに往診し、留置所に出かけ、救急病院に呼ばれたものである。全員に(何千人)、携帯番号を教えているのに、最近は、SOSが全く鳴らなくなった。それは、精神薬を避けて、漢方中心処方になってからである。衝動性亢進、アカシジア、脱抑制、気分変動が無いから、誰も悲鳴を上げなくなったのだ。

 僕のカルテの特徴は、診断名「神経症」である。統合失調症、うつ病が無く、あるのは、「神経症」のみ。統合失調症やうつ病の人が来たら、誤診率98%である。もちろん、精神病もうつ病もあるにはあるが、どれも薬剤性精神病、薬剤性うつ病でしかない。

 だから、まずはこの程度の診断が出来ないなら、「一人前」の精神科医とは認めない。さて、この国の隅から隅まで見渡して、「一人前」が何人居るだろう。本当に居らんよ。ビックリするほど居らんのよ。

 今年は徐々に、半日診療に移行して、なるべく長くやりたいと思っている。「午後じゃないと起きれん~」と言う皆さん、どうか協力してください。半日座っていると、下半身に水が溜まり、痛くて痛くて仕事にならんのじゃ。あと5年やれたら、悔いはないのだが、今度は、80歳の老害は許されるんじゃろか?

(出典:イラストAC