(152)・・・毒舌相談室(6)『ボケ問題』・・・

「よいよい、ぼけてしもて、なにがあれで困っとるがな」

「やっぱりあれかな?あれはなんじゃわいなぁ。認知症検査では、ひどくは出とらんけん、心配せんでも歳相応じゃがな」

「人の名前が出んのよ。顔は分かるんじゃが」

「わしもおんなじじゃ。名前とか名詞が出んのよなぁ」

「うちのあれが、いつもはがいたらしそうに、ボケたボケた言うんよ」

「奥さんも、そう歳違わんじゃろ?」

「もう、ええなにが無いじゃろか、聞いて来い言われてな」

「なに言うんは、認知症薬の事じゃろが。そんなもん飲んだら、イライラして、喧嘩が増えるばっかしじゃ。わしは出さんけん、よそでお貰いや」

「ほな、他になにかええもんないじゃろか?」

「オンジが入った漢方なら無難じゃろ。薬局で、オンジだけでも売っとるぞな」

「保険が効くもんないじゃろか?」

「ほりゃ、人参養栄湯があるぞな」

「それで、ボケが治ろか?」

「治るかいな。人は皆、ボケるように出来とるんじゃけん。人間は、うまいことボケんとしんどいんぞな」

「他になんかしたらええこと無いじゃろか?」

「一番は、酒をおやめや。酒飲んどると、かなりボケやすいぞ」

「よいよい、わやじゃが。酒だけは楽しみじゃけん、無理ぞな」

「薬もあれこれ飲み過ぎじゃ。血圧を下げて、コレステロールを下げて、わざわざボケたいんかのう?」

「かかりつけの医者が飲めぇ言うたら、飲むしかないけん」

「よいよい、天皇陛下が死ね言うたら、死ぬんかな?」

「ほんな極端な・・。先生と話しよったら、おとろしあ、おとろしあ。おちおち、ボケておれんがな」

「ほうじゃ、ほうじゃ。その調子じゃ」

(出典:イラストAC