(120)・・・ことばのちから・・・
松山は、チンチン電車(市内電車)の走る街である。
いよてつ(伊予鉄道)には、無数のバス路線に加え、郊外電車(高浜線、郡中線、横河原線)と市内電車がある。
元は、明治20年に、全国で2番目(1番は、今の東北本線)に出来たもので、三津浜港から松山市駅の間を、「坊ちゃん列車」が走っていた。
高浜線は、「学校線」とも呼ばれ、山西駅で新田高校、衣山駅で、聖稜高校、愛光、松山西高が降り、終着松山市駅では、済美、聖カタリナ、松山南高、松山工業が降りる。
郡中線は、伊予市と松前町の路線。横河原線は、「病院線」とも呼ばれ、愛媛大附属病院、国立四国がんセンター、国立愛媛病院、県立子ども療育センターの為の路線とも言えるだろう。
郊外電車と市内電車が、大手町の路上で交わっている。15年前に埼玉の少年(18歳)「松山に行きたいので、予約を取って下さい」「なんぼなんでも遠いわい。診断も付いとるけん、来んでもええぞな」「いや、ダイヤモンドクロスに行くついでに、寄りますから」「??」
どうやら、鉄道と路面電車の直交(ダイヤモンドクロッシング)は、全国でここだけしか無いんだとか。
チンチン電車は、城山の周りを、ゆっくり走る。その為、車道は狭くなっている。だから、全体がのろのろ走って、すこぶる安全な街になっている。電車の側面上部には、松山市「ことばのちから」大賞に選ばれた「ことば」が、一台ごとに書かれている。
*君の速さで歩けばいい。
*いろんな子 いっぱいおって かまん! かまん!
*なにも芽が出ない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ
*ありゃまー! こりゃまー!! まっちゃまー(松山)!!!
*気にせられん だいじょうぶよ
最初の市長賞から詞を取って、新井満が歌にしたものが、「この街で」♪
*恋し、結婚し、母になったこの街で、おばあちゃんになりたい!
先日、その新井満が、75歳で亡くなった。芥川賞作家と言うより、作詞作曲家の印象が強い。代表曲は、西条出身の秋川雅史が歌った、あの唄である。僕は、昔から、墓に全く興味が無いので、この詞に心惹かれた。一方、墓で儲けている寺院や墓石業者からの苦情も多かったらしい。
『千の風になって』 作詞;不詳 訳詞&作曲;新井満
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません千の風に
千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています千の風に
千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
あの大きな空を 吹きわたっています
(出典:イラストAC)