(140)・・・石原慎太郎の死・・・

 言わずと知れた石原裕次郎の兄。芥川賞作家。元都知事。元代議士。

父親は、愛媛県長浜生まれ。祖父は、南予を転々とした交番警察官である。

 脳に細胞が一個しか無く、感じたままを語り、書くので、小説家には向いていたかも知れない。暴言妄言多数で、要するに世間知らずのレイシスト。無知、単細胞が、背広を着て歩いていたような人物である。

*環境庁長官時代に、水俣を訪れ、患者に抗議文を手渡された夜の会見で、「これ(抗議文)を書いたのはIQが低い人たちでしょう」と発言。さらには「補償金が目当ての“偽”患者もいる」との暴言を吐き、患者らの前で土下座して謝罪する羽目になった。

*東日本大震災の際、「この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と発言し、批判が殺到した為、後日、謝罪せざるを得なかった。

*日本の慰安婦問題について、「日本人が彼女たちを強制連行した証拠はない。生活が苦しい時期、女性が売春をすることは金をもうけるための仕事のひとつだった。彼女たちは自らこの仕事を選んだ」と発言した。

*「フリーターとかニートとか、何か気のきいた外国語使っているけどね、私にいわせりゃ穀つぶしだ、こんなものは」

*府中療育センター(重度知的・身体障害者療育施設)を視察した後に、「ああいう人ってのは人格あるのかね。ショックを受けた。ぼくは結論を出していない。みなさんどう思うかなと思って。絶対よくならない、自分がだれだか分からない、人間として生まれてきたけれどああいう障害で、ああいう状態になって」「おそらく西洋人なんか切り捨てちゃうんじゃないかと思う。そこは宗教観の違いだと思う。ああいう問題って安楽死につながるんじゃないかという気がする」と発言し、都庁への抗議電話が鳴りやまなかった。

*「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です」「男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む能力はない。そんな人間が、きんさん・ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害」「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ」

*中国人を「志那人」、朝鮮人を「三国人」と、蔑称で呼んだ。

*相模原障害者施設殺傷事件について、「この間の、障害者を19人殺した相模原の事件。あれは僕、ある意味で分かるんですよ」と、障害者抹殺思想を擁護した。

*「日本は、軍事政権にならないと立ち行かない。核兵器を持って、軍事国家にならなければ生きて行けない」「原発を、東京湾に作ればいい」

統一教会をバックに、ウルトラ右翼を気取っていたが、野村秋介や三島由紀夫のような本気度は無く、いわゆる口先男だった。毒舌だと言われるが、「弱きを挫き、強きを助く」のは、毒舌じゃなく、ただの暴言である。

百田尚樹やハシシタ、ホリエモン(堀江貴文)らが、哀悼とか言って、褒め倒している。石原が親しかったのは、この他に、金田正一、長嶋茂雄、立川談志、みのもんた、浜田幸一…だから、要するに、単細胞の似た者同士、類は類を呼ぶものである。

それ以上に問題なのは、維新シンパやネトウヨが便所虫のように増殖して、この国の自壊が進んでいることである。近頃の右翼は、新自由主義の自己責任論と結びついていて、大衆に寄り添うことが無い。ドナルド・トランプ信奉と同じく、反知性人間が跳梁跋扈ちょうりょうばっこする時代がやって来たのだ。
人の死に際して、「死者を鞭打つような論評はケシカラン」と騒ぐ奴らがいるが、世が世なら、人民裁判で半殺しにされても仕方がない人物である。石原の言葉を借りれば、「おまえこそ、生殖能力も無いのに、無駄な長生き」だったぞな。

(出典:イラストAC